2種類のLow-E複層ガラス「断熱タイプ」「遮熱タイプ」の違い
複層ガラスは、2枚以上のガラスがそれぞれ「中空層」と呼ばれる空間を保ち構成されるガラス製品です。そのガラスの組み合わせや、中空層の厚み、中空層の中の気体の有無・種類などによって、バリエーションが無数にあります。
その複層ガラスの中の1つが「Low-E複層ガラス」で、断熱性能や遮熱性能を高める目的で、ガラスに特殊な金属膜「Low-E膜」がコーティングされています。
「Low Emissivity(ロー・エミシビティー)」の略称で、日本語訳すると「低放射」という意味です。その正体は酸化錫や銀でできた金属膜で、これをガラス面に貼ることで、熱が向こう側に伝わりにくくなります。
Low-E複層ガラス「断熱タイプ」「遮熱タイプ」の構造の違い
Low-E複層ガラスは、Low-E金属膜がコーティングされていますが、熱を反射してくれる性質を利用して、その金属膜を複層ガラスの「室内側にコーティングするか」「室外側にコーティングするか」で、断熱性能、遮熱性能が変わってきます。
断熱タイプのLow-E複層ガラスの構造
遮熱タイプのLow-E複層ガラスの構造
断熱タイプ、遮熱タイプでよくある誤解
製品の名称が「断熱タイプ」「遮熱タイプ」と分かれているので、このように「遮熱窓にすると室内の熱が逃げる」と勘違いをするお客様が見られます。
- 断熱タイプは、遮熱タイプよりも断熱性能が優れている
- 遮熱タイプは、断熱タイプよりも断熱性能が劣っている
断熱タイプも遮熱タイプも「断熱性能」は変わらない
断熱タイプも遮熱タイプも、室内の熱を逃さないように断熱機能が備わっており、違いは「日射を取り入れるか、遮るか」だと思ってください。一例になりますが、同じガラスや中層の構成であれば、Low-E金属膜が室内外のどちらにあっても断熱性能を表す「熱貫流率」値は同じです。
| タイプ | 室外側 | 中層層 | 室内側 | 熱貫流率 |
|---|---|---|---|---|
| 断熱タイプ | 3ミリ | 6ミリ | 3ミリ (Low-Eあり) |
2.5 |
| 遮熱タイプ | 3ミリ (Low-Eあり) |
6ミリ | 3ミリ | 2.5 |
- 断熱性能を表す「熱貫流率」に差は出ない
- 遮熱性能を表す「日射熱カット率」に差が出る
熱貫流率とは
熱をどのくらい通しやすいかを表したもので、室内外の温度差が1℃のときに窓1㎡あたりに対して1時間でどれだけの熱量が通過するかという数値です。数値が小さいほど断熱性能が高い証です。
日射熱カット率とは
窓ガラスに当たる太陽エネルギーを100%とし、室内に流入しない割合。これは逆に値が高いほうが遮熱性能が高い証で、日射熱をカットして夏場に冷房が効きやすいガラスになります。
基本的には「断熱タイプ」「遮熱タイプ」どちらも熱を逃がしにくく、「遮熱タイプは、さらに日射熱も取り入れにくい」です。わかりやすく言い換えると、このような言い方になります。
当社はLow-E複層ガラスの「遮熱タイプ」推し
よく「冬の日射は取り入れて、夏の日射は遮るように、窓のある場所ごとに断熱タイプ、遮熱タイプを検討しましょう」と言われますが、当社では「遮熱タイプ推し」です。冬場の日射熱は取り込んでもそれほど大きく室温は上がらないからですね。
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