EU太陽光市場が初の減速。2030年目標達成へ「ペロブスカイト」が不可欠な理由

【要約】30秒でわかるポイント

  • EU市場の現状:2025年の新規導入量は65.1GW。2016年以来初めて前年比マイナスとなり、市場が一時的な停滞期に入った。
  • 2030年目標の危機:現在の普及ペースでは、EUが掲げる2030年までの750GW達成が困難な見通し。
  • 次世代技術への期待:既存のシリコン系が住宅用で苦戦する中、設置場所を選ばない「ペロブスカイト太陽電池」が市場再興の鍵として注目されている。

導入

欧州の太陽光発電市場に激震が走っています。SolarPower Europeの最新報告によると、これまで右肩上がりだったEUの太陽光導入量が2025年に初めて減少に転じました。

エネルギー危機の沈静化に伴う家庭用需要の冷え込みが主な要因ですが、この停滞を打破し、再び成長軌道に乗せるための「切り札」として、日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池への期待がかつてないほど高まっています。

本編(詳細解説)

1. EU市場を襲う「2025年の壁」と住宅用太陽光の失速

結論:エネルギー危機の収束と支援策の打ち切りにより、家庭用ルーフトップ市場が半減しました。

2023年には新規導入の28%を占めていた住宅用(屋根置き型)太陽光パネルですが、2025年にはわずか14%までシェアを落としました。電気代の高騰が落ち着いたことや、各国での補助金・優遇策の終了が背景にあります。このまま既存の「シリコンパネルを屋根に乗せる」モデルだけに頼っていては、2030年の高い目標達成は不可能に近い状況です。

2. 設置場所の限界を突破する「建材一体型」の必要性

結論:従来のパネルが置けない「壁面」や「窓」を発電所に変える技術が求められています。

欧州の都市部では、すでに屋根の設置余地が限られつつあります。ここで注目されるのが、ペロブスカイト太陽電池によるBIPV(建材一体型太陽光発電)です。

  • 軽量・柔軟:耐荷重の低い既存ビルの屋根や、曲面を持つデザイン性の高い外壁にも設置可能。
  • 透過性:ガラス基板を用いることで、窓ガラスそのもので発電する「発電窓」が実現。

サプライチェーンとしての責務:オーダーガラス板.comの視点

ペロブスカイト太陽電池の実装において、最も重要な要素の一つが「基板となるガラス」の品質と加工技術です。特に都市部のビル外壁や窓に展開する場合、耐久性・透明度・安全性を兼ね備えた特殊ガラスが不可欠となります。

当社は、高度なガラス加工ネットワークを通じて、これら次世代デバイスの社会実装を支えるインフラとしての役割を担っています。

3. だからこそ「ペロブスカイト」が必要な3つの理由

結論:シリコン系の限界(コスト・場所・重量)をすべて解決できる唯一の技術だからです。

市場が停滞している今こそ、ペロブスカイト太陽電池の導入が急がれる理由は以下の通りです。

  • 設置面積の劇的拡大:住宅の屋根だけでなく、ビルの壁面、窓、さらには電気自動車のルーフなど、あらゆる場所が発電所に変わります。
  • 低コストな製造プロセス:シリコン系のような大規模な高温設備が不要で、印刷技術による大量生産が可能なため、導入ハードルをさらに下げられます。
  • エネルギー自給率の向上:欧州(および日本)において、輸入依存度の高いシリコンに代わり、自国で製造しやすい次世代電池はエネルギー安全保障の強化に直結します。

用語解説

  • SolarPower Europe:欧州の太陽光発電業界を代表する団体。
  • BIPV (Building-Integrated Photovoltaics):建物の外壁や窓などに太陽電池を組み込む「建材一体型」の発電形態。
  • ルーフトップ市場:住宅や工場の屋根に設置するタイプの太陽光発電市場。

よくある質問(Q&A)

まとめと今後の展望

2025年のEU市場減速は、太陽光発電が「次のフェーズ」へ移行するための準備期間と言えます。従来のパネルを乗せるだけの時代から、建物そのものが発電する時代へ。その主役となるペロブスカイト太陽電池の普及は、2030年目標を達成するための「重要な一手」となるでしょう。

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